心理カウンセリングのイロハ

ゲシュタルト療法とは

ゲシュタルト(Gestalttherapie)とはドイツ語で、心身症や精神症の治療法です。ゲシュタルトという言葉には、統合・形態・全体といった意味があり、クライアントに対して現実をしっかりと捉えさせ、現実逃避をすることなく、しっかり適応できるように導いてサポートしていきます。このゲシュタルト療法はフレデリック・パールズというユダヤ人の精神科医であり心理学者でもある人物とその妻によって始められました。

 

このゲシュタルト療法においては、クライアントが過去に何を行ったか、その理由は何かということを尋ねたりしない点が特徴的です。あくまでも現在、ここで何を話しているかということを重視しています。その体験を基に、全体像を捉えさせ、覚醒を目指すのです。

 

行動主義に対するゲシュタルト心理学の思想をカウンセリングにも導入しており、人間というものは足し算で要素を集めて作られているものではないと考えています。認知や知覚なども部分的な物ではなく、全体でまとまっていると捉えています。

 

ゲシュタルト療法においては、役割演技という手法が用いられています。これはクライアント自身が不満を持っている自分やそれを避難している自分など、色々な自分を演じる事で、自分ではこれまで気付いていなかった自分の姿に気付き、人格像を豊かに導いて行くという意味合いがあります。

 

ゲシュタルト療法の手法には、「未完の行為」「ホット・シート」、「発言内容と真逆のことを述べる」「できないと思っていることをする」「ドリーム・ワーク」「トップ&アンダー・ドッグ」が存在します。具体的には以下の通りです。

 

●未完の行為
これまでやりたくてもずっとやることのできなかったことをクライアントにやってもらう療法のことを指します。例えば、両親が存在していないクライアントに「お父さん」「お母さん」と口にしてもらうことです。

 

●ホット・シート
クライアントが多数の他人から長所や欠点を指摘してもらう療法です。他人から自分の欠点を言われると傷付くのではと思う方もいらっしゃいますが、こうすることで意識化していきます。

 

●発言内容と真逆のことを述べる
クライアント自身が自分の事を「気が小さい」と感じているのであれば、それとは反対の、「気が大きい」という言葉を何度も繰り返し言わせて自分の反動形成を行います。

 

●できないと思っていることをする
「人前で発言することに抵抗がある」というクライアントに対し、「今から人前で上手に話す事のできる人間の役を演じてください」とロールプレイをしてもらいます。

 

●ドリーム・ワーク
別名、夢を生きることとも呼ばれています。夢の中の物や登場人物になったつもりでクライアントが演じ、言葉や行動を通じて夢を再現していきます。夢とコンタクトを取らせることで、クライアントの気持ちを表現してもらいます。

 

●トップ&アンダー・ドッグ
何かをしたいと感じている自分と、何かをしなくてはならないと感じている自分で話をさせます。