心理カウンセリングのイロハ

来談者中心療法とは

来談者中心療法はアメリカのカール・ロジャーズという臨床心理学者によって提唱された心理療法の1つです。カウンセリングを学ぶ上で基本中の基本とされているので、ほとんどの人が学んでいると思います。

 

人間には元々、自ら自律的かつ独立的に成長して行こうとする素質が備わっていると考えられており、自然と良くなる力を持っているとされています。そのため、カウンセラーがクライアントを誘導することは大変危険な行為だと考える人もいます。

 

ロジャーズは、このことからカウンセリングを行う際の手法や態度として、クライアントのことを批判したり評価をすることなく、うなずいたりあいづちを打つなど、クライアントの話をとにかく聴き、共感するという傾聴を大切にしています。共感的理解や自己一致、無条件に肯定することの重要性を訴えているのです。

 

一般的に人間というのは自分の話をしっかり聴いてくれる人に安心し、信頼する気持ちが芽生えるものです。ですからカウンセラーがクライアントの話をひたすら静かに聴いてあげることで、カウンセラーとクライアントの間にはしっかりとした信頼関係が生まれます。双方の間に信頼関係さえあれば、クライアントは安心して自分の感情を打ち明け始めるのです。

 

しかし、共感=同感というわけではありません。この点が非常に大切です。クライアントの考えに例え賛同していてもカウンセラーはクライアントの意見に飲み込まれてはいけないのです。

 

●ロジャーズのカウンセリングをする際に重要視しているポイントとは

 

1)人間の健康や成長、適応する力を尊重します。
2)人間の過去ではなく、現在おかれている状況を重視します。
3)人間の知的な側面より、感情的な側面を尊重します。
4)成長を目的とした治療を重視します。

行動療法とは

行動療法は心理療法の1つで、ジョセフ・ウォルピやスキナー、アイゼンクらが中心となって成立させました。行動療法の目標は望ましい行動をすることを増やすことと、望ましくない行動を減らすという行動を制御することにあるとされています。

 

例えば恐怖心や不安な気持ちを抱いているクライアントの場合、拮抗する反応を覚えさせることにより、それらの感情を払拭することができるという理論です。

 

行動療法を用いている心理学者によると、人間というのは生まれた時から善悪はなく、白紙で生まれてくるものだと言っています。人間は何もないところに年月を経て、周囲の環境によって色付けされながら成長していくのです。

 

行動療法においては遺伝や素質について重視をせず、カウンセラーとクライアントが相談し、目的に向かっていきます。また、カウンセリングの場は部屋だけではなく、時にはクライアントと外出して治療を行うこともあります。

 

●行動療法の具体的な例
例えばクライアントが高所恐怖症だとして、そのクライアントが高所恐怖症を治したいとカウンセラーに相談します。その時、カウンセラーはまず初めにクライアントの話を聞き、行動を共にすることでクライアントの抱えている高所恐怖症を改善するよう努めます。

 

それも相談室だけではなく、カウンセラーがクライアントと一緒に高い建物に出向き、低い階から順番に外を見てみます。段々と階を上げていき、クライアントが慣れて来た段階で、最終目的地の屋上に行ってみます。

 

このように、実際に行動を起こして治療を行う心理療法を行動療法と言います。決してカウンセラーが主導権を握って無理矢理クライアントにやらせるのではなく、クライアントと共に目標を決定し、段階的に行動に移していきます。